[35] K-H-V Differential gear design system
35.2 初期設定 図35.3に示すように,基準ラックの設定を行い,補助機能として設定した基準ラックの実寸法を表示します. 35.3 寸法設定 図35.4に示すように,歯数差(1歯差,2歯差,0歯差)を選択し,次に,組み合わせ(腕の固定/入力/出力)を選択します.歯数差が0の場合は,腕(arm)を固定として歯形を作図します. 図35.4でmn,z,αn,β入力した後,転位係数(xn)を設定しますが,転位係数の与え方は無数に存在しますので図35.3の補助機能を使用して,かみ合い率1以上で且つ,インボリュート干渉が発生しない組み合わせを決定します.本例の場合,55個を表示し |
ますので,この中からNo.26の転位係数(xn1=-0.6,図中の● 丸)を選択すると図35.7ように諸元が決まります.なお,転位係数とかみ合い率そして歯車寸法は,図35.6の表で確認選択することができます.
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図 35.7 の諸元を[確定すると図35.8~図35.10 のように寸法および干渉計算結果を表示します.本例の場合,トリミングが発生していますが,かみ合いには影響がないためこのまま計算を進めます.
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35.5 歯形・歯すじ修正(オプション) 歯形修整,歯点数(最大=50)を入力することができ,円弧パターンで入力することもできます.そして,修整を与えた歯形の接触を図35.17 のように確認することができます. AMTEC www.amtecinc.co.jp |
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35.6 すべり率 本例歯車のすべり率は,図35.9の寸法計算結果に示していますが,歯形位置(Roll angle)におけるすべり率の変化を図35.18に示します. 35.7 強度計算 強度計算は,図35.19のように強度設定画面で摩擦係数,トルク,回転速度を入力します.本例の場合,摩擦係数を0.10,腕の入力トルクが1(Nm),回転速度が1000min-1とすると[確定] ボタンによりピニオンとギヤのトルク,回転速度を表示します. 強度諸元(材料,係数)の入力画面を図35.21に示します.材料選択は,図35.20の表から選択することもできますが,σFlim,σHlimを直接入力することもできます.図35.22に強度結果を示します. |
35.8 歯形出力 生成した歯形を,CADデータとして出力することができます.図35.23の歯形出力機能により出力したCADデータの作図例を図35.24および図35.25に示します. AMTEC www.amtecinc.co.jp |
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35.9 歯数差0の設計例 2段連結した歯車機構例(K-H-V+0)を図35.26に示します.1段目は1歯差の外・内歯車です(内歯固定,外歯出力,腕入力).2段目(従動側)は0歯差の外・内歯車です.1段目の外歯車と2段目の内歯車を連結すると,入力軸と同じ軸上で出力することができます. 図35.26では2段目の0歯差の外歯車,内歯車,腕のいずれも固定していません.緑の従動側(差動の外歯車+0歯差の内歯車)と赤の外歯車(出力)の回転比は同じです.従って,差動歯車の減速比を同軸上で取り出すことができます.以下に0歯差歯車の設計例を示します. 図35. 27で,歯数差0を選択し,モジュール,歯数,圧力角,ねじれ角を設定します.次に補助機能(図35.28)で適合する25個の中からNo.25を選択します.この歯車の寸法を図35.29に歯形を図35.30に示します.また,図35.30のかみ合い部CおよびDの拡大図を図35.31に示します.また,歯形レンダリングを図35.32に示します. |
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